続:ピッチポリッシャー

ピッチポリッシャーについてもう少し掘り下げてみます。

ピッチは高温で液体状になり常温では固体化する特徴があります。その温度に対する敏感さや硬さは、それぞれのピッチでも特徴があり、同種のピッチの中でも硬さ別に分けて管理されていることがほとんどです。
又、常温で固形状態になっているピッチは瞬間的な力には硬く、ゆっくりと荷重をかけると、徐々に変形してゆく特徴があり、この変形が、面転写の研磨加工では都合の良い特徴とも言えると同時に制御性の悪い弱点とも言えます。

ピッチの種類

研磨加工で使用されるピッチには大まかに3種類あります。

  • アスファルトピッチ
  • ウッドピッチ
  • タールピッチ

アスファルトピッチは石油を精製するときの副産物で舗装道路などで使用されていることが一般的に知られている物です。ピッチの特徴でもあるゆっくりと変形する特徴は、渋滞の多いアスファルト舗装道路の「ワダチ」となりやすいことからもイメージがつきやすいです。

ウッドピッチはアスファルトピッチと比較して熱に対して敏感な印象です。

タールピッチはタールの配合量で硬さが変化する特徴があります。(個人的主観も含みます)用途に応じて使い分けることもありますが、管理も大変なので、アスファルトピッチが多い印象です。(職人の好みも含まれます)

研磨機

これらのピッチポリッシャーは、概ねオスカー式研磨機で使用されます。オスカー式研磨機を言葉で説明すると、「回転するポリッシャー(またはワーク)に円心揺動するアームの先にワーク(またはポリッシャー)を取り付けることで、ワーク(ポリッシャー)が連れ回り、研磨剤を介することで加工が進む研磨方式」と言えますが、分かりにくいと思いますので、深堀はしません。

このオスカー式研磨機は、ガリレオが望遠鏡のレンズを磨いた研磨機と言われており、動力源が変わったこと以外、基本的な機構は現在でもほとんど変わっていないようです。


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