はじめに

製品製造の世界では、技術の進歩によって新たな可能性が広がっています。その中でも、微細レーザー溶接や精密3Dプリンターなど微細な加工を行う技術は特に注目されています。

これらの技術を組み合わせることにより、さらに複雑な構造や多様な素材を持つ製品の製造が可能となり、既存の考えにとらわれない柔軟な形状の部品の加工や、修復や改修も実現できる道筋が見えてきました。

本記事では、今、注目されている微細レーザー溶接と3Dプリンター技術の組み合わせによる製品製造の特長について探っていきます。

技術

微細レーザー溶接と精密3Dプリンターは、それぞれが単独でも魅力的な技術です。

微細レーザー溶接では、従来よりかなり小さな部品を溶接できます。トレンドとなっている大出力レーザーではなく、小出力高精度レーザーを用いることで微細な溶接を実現できます。多くは、パルスモードのファイバーレーザーや短パルスレーザーなど、極々微小な時間で加工を完了させるレーザー光源を用います。

一方、金属粉末を焼結させて造形する3Dプリンタは、層を積層させるようにして立体構造を作り上げていきます。ステンレスなどの金属粉は数十㎛と微小で微細な構造体を作ることができます。金属粉体の溶融には、同じくレーザーを用いますが、こちらは連続発振のレーザーを走査して任意の層構造を実現しています。

これらを合わせることで、柔軟な立体形状を型を用いることな多品種大量に低コストで実現できます。

3Dプリンターで造形した部品を微細レーザー溶接で接合したり、逆に、微細レーザー溶接で接合した部品をさらに3Dプリンターで追加造形することが検討されています。

特徴

以下のような特徴があります。

  1. 複雑な構造の実現: 3Dプリンター技術は、コンピューター制御の層積重ねにより製品を作り出す革新的な方法です。この技術を微細レーザー溶接と組み合わせることで、複雑な形状や内部構造を持つ製品を実現することができます。たとえば、医療機器や航空機部品など、厳密な要件を持つ製品において、高度なデザインと機能性を兼ね備えた製品を作り出すことが可能です。
  2. 素材の多様性と耐久性: 3Dプリンター技術は、様々な種類の素材を使用して製品を作成することができます。また、微細レーザー溶接によって異なる素材同士を溶接することができるため、複合素材や異種素材の組み合わせによる製品を製造することができます。この組み合わせによって、製品の耐久性や強度を向上させることができます。さらに、素材の選択肢が広がることで、製品の特性に合わせた最適な素材を選ぶことができます。
  3. 修復と改修の容易さ: 微細レーザー溶接と3Dプリンター技術の組み合わせにより、既存の製品の修復や改修が容易になります。破損した部分をレーザー溶接で修復したり、新しい部品を3Dプリンターで作成して交換することができます。これにより、製品の寿命を延ばすだけでなく、カスタマイズやアップグレードも容易に行うことができます。製品の修復や改修が簡単に行えることで、継続的なメンテナンスや製品のアフターサービスもスムーズに行えます。

さいごに

微細レーザー溶接と3Dプリンター技術の組み合わせは、製品製造における革新的な手法です。複雑な構造の製品の実現や多様な素材の利用、修復と改修の容易さなど、さまざまな特長があります。この組み合わせは、製品のデザインや機能性を向上させるだけでなく、効率的な製造プロセスを可能にします。今後の技術の発展とともに、微細レーザー溶接と3Dプリンター技術の組み合わせがますます重要な役割を果たすことが期待されます。


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