概要

レーザーなどで光を集めたり、拡散させるために使われる光学レンズ。光学レンズとは光学ガラスから作られる、カメラ、顕微鏡、望遠鏡などで広く使用されています。特に産業界では、高精度・高品質なレンズが多く使われています。民生品でも、特に高額なカメラや望遠鏡などでは、高性能なレンズが使われています。

この光学レンズには、球面レンズ、非球面レンズ、屈折率分布レンズ、特殊形状レンズの大きく 4 つの種類があります。

特徴

各レンズの特徴を見ていきます。

球面レンズは、最も基本的な表面が球形状をしたレンズです。メガネなどにも用いられ、その形は球面状のカーブを描いており、中央部分と周辺部で見え方に差があります。最も綺麗に見える箇所は中心部分で、中心部分から離れるほど歪んで見えるようになってしまいます。これを収差といいます。さらに、強度(高い集光にするほど)になるほど厚みも出てしまいます。

非球面レンズは、このような球面レンズのデメリットを解決したレンズで、球面収差をなくすために、レンズカーブが高次非球面形状に設計されています。周辺部の歪みが少なく、クリアで快適な視界を得ることができ、さらに球面レンズよりも薄くて軽いのが特徴です。収差を抑えることができますが、その分、加工に技術が必要で、一般的に高価です。

屈折率分布レンズは、光軸方向と直交方向に材料内部の屈折率を変化させたレンズで、空気とレンズの屈折率の違いを利用せず、レンズ内の屈折率差を利用するため、一般レンズと異なる形状が可能となります。代表例としては、光ファイバなどに用いられます。

特殊形状レンズは、光を一方向のみに集光するため、レーザ光を細く集光したり、シート状の光の形成が可能となります。市リンドリカルレンズ等が相当します。

構成

レンズを複数枚組み合わせて、より所望の集光、拡散特性を生み出す組み合わせレンズという構成があります。

光学レンズの組み合わせでは。屈折率、分散率の異なる光学ガラスの組み合わせや、球面曲率の違うレンズの組み合わせで様々な特性を実現します。例えば写真レンズには、前後に同じ組み合わせのレンズを配した対称型と、異なる組み合わせのレンズを配置する非対称型があります。色収差や球面収差、コマ収差、非点収差、像の歪みなど、レンズ固有の欠点を最小化し、画像の鮮明化をはかることを目的としています。収差が大きいと像がぼけたりゆがんだりします。

さいごに

レンズは、光を集めたり、広げたりと重要な役割を果たしています。我々の身の回りにもたくさん使われていますが、たいへん奥が深い部品です。

参考


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