研磨加工の歴史
研磨加工の歴史は古く、1万年前の新石器時代まで遡ることができます。
旧石器時代は石などを割ったり砕いたりして、具合の良い形状を選択して使用していたとされています。新石器時代になると、この石器を石や砂利などにこすりつけて、表面を滑らかにして、より鋭利な刃物として加工したことが研磨のルーツと言われています。
その後もメノウの勾玉や管玉など装飾品、青銅の鏡、ガリレオのレンズやニュートンの反射鏡などなど研磨技術は続いていきます。
現在に至っても、光学部品はもとより電子、機械分野でも幅広く活用されています。対象材料も多様で金属をはじめ、ガラスなどの脆性材、樹脂やセラミックに至るまで用途に応じた研磨加工が行われています。
ピッチポリッシャー
ここでは古くから使用されている遊離砥粒を使用したピッチポリッシャー研磨についてお話をします。
ピッチ研磨は古代から知られており、ガラスや宝石を磨くために使用されていました。現在でも高精度加工用としてピッチ研磨は活躍しております。
ガラスなどの脆性材を研磨加工する場合、加工面の仕上がり状態で二分することができます。
一つは表面を滑らかな凹凸の少ないラップ加工(lapping)職人たちは砂かけと呼びます。この加工では表面は曇りガラスの仕上がりになります、職人言葉では砂目や梨地ともいわれます。
一方で鏡面(透明)になる研磨加工(polishing)と言い分けており、波長レベルの高精度研磨面は光学研磨ともいわれます。
このように仕上がり表面での違いがありますが、ともに研磨加工と呼ばれます。
研磨加工の要素
その昔、研磨加工は人の手や動物の皮などを使い研磨加工を行っておりました。
研磨加工を行うための3要素として
- 研磨剤(研磨材)…磨き粉(砥粒)
- 研磨工具…定盤、バフ、ポリッシャー
- 研磨対象物…各種材料(金属、ガラス等)
があげられます。
研磨剤は砥粒とも呼ばれ、独立した砥粒を遊離砥粒、固形物になったものを固定砥粒と呼ばれています。遊離砥粒加工で使用される研磨剤は液体状になっていることが多く研磨スラリーや研磨液と呼ばれます。
一方、研磨剤が固形成形されたものは、固定砥粒加工と言われ、研削(研磨)砥石や研磨ペレットという名称で呼ばれます。
砥石を使った加工は研削機械加工と言われて、金属などを砥石で鏡面化する場合などは、研削研磨加工と言われる場合もあります。砥石を使った機械研削加工は制御性が良く、高精度加工に向いています。
一方で、流離砥粒を使用した研磨加工は、加工速度も遅く、制御性はあまりよくありません。特にピッチポリッシャーを使用した場合は、加工技術者の高い熟練度が必要となります。しかしその仕上がりは非常に緻密な高精度研磨加工が可能で、現在に至っても使用されることがあります。
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